理事長所信

はじめに

 前橋青年会議所は「明るい豊かな社会」の実現のため、67 年の永きに亘り様々な変革を積み重ね、歴史を紡いできました。私は 2008 年に 26 歳でこの前橋青年会議所に入会し、10 年の歳月が流れようとしています。現在の私をかたちづくるものの多くは、至らない点の多い私に対し、先輩諸兄からいただいた厳しくも温かいご指導や、任された役割をこなす中で形成されたといっても過言ではありません。私がこれまで出会った先輩諸兄は、常にこの地域と前橋青年会議所の発展のためを第一に考え、力の限りを尽くされていました。困難が立ちはだかった際には、自分ではない誰かのために時間を作り、口に出さずとも助け合い解決してきました。それは、それぞれの価値観は違ったとしても、一人ひとりが運動に真摯に取り組み、認め合う相互尊重の精神があったからです。歴史と伝統を受け継いできた前橋青年会議所だからこそ、この精神は受け継がれていかなくてはいけません。私自身、「大変だから」「時間がないから」「誰かがやるから」などと考えていた時期がありました。しかし、時には助け、助けられ、相互尊重の精神で協力し、それらを乗り越えた先で常に新しい自分を発見することができました。青年会議所は人生最後の学校といわれ、真摯に取り組むことで、地域の発展に寄与することができ、自らも成長できる団体です。このように、様々な経験を通し、成長した人材をより多くしていくことが、組織の強化につながると考えます。2018 年度は関東地区大会主管という大きな挑戦をする年です。今まで以上に時間や労力がかかります。しかし、そこから得られるもの、還元できるものは費やしたもの以上にあると確信しています。会員各位の協力なくして成功に導くのは困難です。共に明るい豊かな社会を創り、未来へつなげて行きましょう。

会員拡大により、様々な可能性を広げる

 会員数は減少傾向であることに変わりはなく、会員の拡大は急務です。2018 年度は 80名を切ってのスタートとなります。会員拡大をさらに効果的に推進するため、まずは早い段階で、会員全員が会員拡大に対する意識が高まるような取り組みを行うべきです。また、どうすれば会員拡大がさらに効果的に進むのか、これまで実践してきたことに加え、情報を収集し昇華させ、新たな取り組みを確立することが必要不可欠です。当事者意識を持ち、積極的に動き、前橋青年会議所の特性を理解し発信し続けなければ、会員拡大は困難となってしまうでしょう。また、会員の拡大は会員を増やすだけでなく、退会者を如何に減らすかという観点も必要であり、それをなくして純増はあり得ません。会員数の増加による効果はとても大きく、予算と人員を確保できるだけではなく、様々な可能性を広げることができるのです。2018 年度の会員拡大は、前橋青年会議所の創立 70 周年となる 2020 年を見据え、2019 年度が 90 名体制でスタートできるよう取り組むことを目標とします。

育成力の向上が成長発展への礎となる

 現代、少子高齢化や人口減少が進むことにより、多くの影響が出るといわれています。前橋市では生産年齢人口が 2005 年の 222,344 人をピークに、2015 年では 200,635 人となり、以後 5 年ごとに 10,000 人ずつ減少する試算をしています。今後を考えた際、働く場所においても、前橋青年会議所においても、生産年齢人口の減少による影響は計り知れないものがあります。この問題に立ち向かうため、まずは人材育成を図り、生産性をより高めていかなくてはなりません。人材育成の大切さは、様々な場面でうたわれていますが、私達は職場や前橋青年会議所で、どれだけの人材を育ててきたでしょうか。人材育成は口でいうほど簡単なものではありません。人材育成を成功させるために、我々は育成する力、すなわち「育成力」を高める必要があります。自分のことだけで手一杯になるのではなく、人材育成の観点を常に持ち、問題解決ができ、次代のリーダーとしての自覚が芽生えるような成長ができるよう、育てていかなくてはならないのです。人材育成は魅力ある組織につながり、未来への生命線となります。育成力の向上が成長発展への礎となると確信しています。

次世代の青少年のために

 現代の子供達を取り巻く環境は、インターネットやテレビ等を介して感覚的に学び得る「間接体験」や、シミュレーションや模型等を通じて模擬的に学ぶ「疑似体験」の機会が圧倒的に多くなってきており、子供達の成長にとって負の影響を及ぼしているのではないかと懸念されています。将来を担う子供達に必要なのは「直接体験」であると考えます。しかし、現代ではこの「直接体験」の機会が減少していることも事実です。「直接体験」は、感動や驚きがとても大きく、そこで得た知識や考え方など、学びがより多くあります。それらを基に、また新たな課題へ取り組むことにより、「生きる力」を育む基礎となります。それが将来の豊かな人間性や、自ら学び自ら考える力の基盤となり、子供達の成長の糧となるのです。これからの時代に重要なのは「生きる力」です。子供達が「生きる力」を養えるよう、行政や各種団体と協力して取り組んでまいります。

地域振興と関東地区大会

 我々は 2017 年度の臨時総会において、関東地区大会の主管を決断しました。未知の取り組みであり、かける力も相当なものとなるでしょう。しかし、苦難なくして成長はあり得ません。大会成功のため、先輩諸兄や関係団体との連携をより密にし、会員全員一致団結した体制を確立し、情熱を持って臨む必要があります。日本青年会議所の大会事業では、主管益・地域益・参加者益・主催益という 4 つの利益が重要視されています。本大会では、苦難を乗り越え会員個々の成長となる主管益、前橋市・群馬県の特性や魅力発信から、前橋市・群馬県がさらに注目され、新たな地域活性化となる地域益、前橋青年会議所の全てをぶつけ、刺激を与え、関東地区内全青年会議所の活性化となる参加者益、関東地区協議会が推し進める運動を発信し相乗効果を図る主催益、この 4 益を必ず達成します。しかし、我々は、関東地区大会の主管と成功だけが目的ではありません。大会の経験を通し、前橋青年会議所として今後の可能性をより拡げることこそが真の目的なのです。また、「スマイルフェスティバル in 前橋」が 4 回目の開催となる今年度は、花火大会との融合だけではなく、関東地区大会との融合も図り、地域との距離がより近い、地域色が前面に出た発信力の高いものとしていきます。関東地区大会のみならず、「スマイルフェスティバル in 前橋」、「前橋花火大会」、「前橋まつり」を地域における関係諸団体の皆様と協力することにより、より一層の地域振興となるべく取り組んでまいります。

明るい未来を創り出すために

 我々は常に未来を見据え、正しい方向へ地域を導いていかなければなりません。昨年、未来創造プロジェクトで多くの議論を行ってきましたが、我々はまだ多くの現実的な課題を抱えています。立ちはだかる現実的な課題に対し、具体的な解決策を見出す必要があるのです。ビジョンを掲げるだけでは足元が見えなくなり、現実的な課題に対する解決策だけでは足元しか見えなくなります。2018 年度では、2017 年度の未来創造プロジェクトで浮き彫りとなった現実的な課題に対し、具体的な解決策を見出し、ビジョンと解決策の融合による両輪で成熟した内容とさせていく必要があります。ビジョンは前に進む力と団結力を生み、具体的な解決策は正しく進むための自信となるのです。機が熟した時、真に明るい未来を創り出すことができると確信しています。

おわりに

 前橋青年会議所は現在、過渡期の真最中にあります。直近 2 年の卒業生は 30 名にのぼり、入会 3 年未満の会員が半数近くを占める状況です。そのような逆境に立たされている中でも、我々は多くの課題に立ち向かっていかなければなりません。間違えてはならないのが、我々は事業を行うことだけが目的ではないということです。課題やビジョンを共有し、協力して解決していく運動を推し進めることにより、地域社会の発展へとつなげることが目的なのです。前橋青年会議所は公益社団法人であることを肝に銘じ、目的達成のために、自己満足で終わることなく、自らを律し、相互尊重、共存共栄の精神で全員が一致団結して挑戦することが必要不可欠です。2018 年度の運動へのご理解とご協力をお願い申し上げ、理事長所信とさせていただきます。

理事長 高柳 聡志