理事長所信

理事長 吉田 雅則

はじめに

 前橋青年会議所は、「新日本の再建はわれわれ青年の仕事である」という普遍的な理念の基、歴史と伝統を継承し69年を迎えようとしています。いつの時代も、業種や環境が違う、多種多様な人たちが集まり、明るい豊かな社会を目指し、新たな物事を創造し続け、時代を創る先駆けとして永きに亘り運動を展開してきました。
 私は2013年2月に入会し、多くの人と出会い、先輩諸兄や同志たちと日々研鑚を積ませていただきました。そのなかで、最も重要と感じたのは人とひととのつながりです。青年会議所は出会いの宝庫といわれ、多くの人と関係を持つことができます。多くの人と関係を持つことで、自身の気付かないことを教えてくれる鏡であり、お互いの価値観を知る場でもあります。そこから切磋琢磨し、認め合い、行動することで、同じ価値観が生まれ新たなものを創造することができる原動力となります。単年度制であるからこそ、生まれる新たなつながりを持った組織は、青年会議所だからこそできるものです。この出会いの機会を活かせるのも限られた時間しかありません。この時間を漠然と過ごすのではなく、どう過ごすか。自身が何をできるかを考えることで、さらなる成長を望み、愛する地域の発展を目指し、明るい豊かな社会を築くために、ともに切磋琢磨し、私たちの未来を創り上げていけるのではないでしょうか。

未来を見据えて組織力を向上するために

 組織とは何か、それは秩序によって保たれた集合体であり、特定の目的を達成するためにそれぞれが役割を持って構成され、その組織がひとつの目標を掲げ、同じ方向を向いて行動することが理想の組織といえるでしょう。
 私たちの組織においては、修練・奉仕・友情の3信条の基、一人ひとりがかけがえのない存在で成り立っています。誰かが困っていれば手を差し伸べられ、人のことを考えた行動ができ、組織に責任と誇りを持つことが組織力の高い組織であるといえます。
 しかし私たちは、本当に自分たちの組織に責任と誇りを持って行動しているのでしょうか。誰かがやってくれると思い込み、他責にして、その場にいるだけになってはいないでしょうか。私たちが未来に向かって進めていくうえで必要なのは、物事を俯瞰して見ることと、当事者意識を持った行動ができることです。誰かがやる組織ではなく、自ら進んで行動できる組織であるからこそ責任と誇りが生まれ、恒久的に青年会議所運動を続け、社会の健全な発展に寄与する人材となり、多岐に渡り運動を邁進することができるのです。
 組織力向上は会員全員で行うべきと考え、ひとつの委員会に任せるのではなく、それぞれ所属する委員会の視点から「組織力を向上するには」をテーマに、事業を展開し、組織力の向上を図ります。

組織の活性は会員拡大

 少子高齢化により、入会候補者である生産年齢人口の減少は、全国的にも大きな問題となっています。40歳までという年齢制限ゆえに、新たな仲間を迎え続けなければ、組織の存続さえも危ぶまれてしまいます。
 前橋青年会議所は昨年、今年を見ても卒業生が少なく、入会者を増やせることができれば、拡大の好機といえる年となります。また近年一人ひとりの拡大意識が高まり、大幅に減った会員数から増加傾向にあり、この拡大の好機を活かすために全員拡大の仕組み作りを確立させることが必要です。この仕組みにより、効果的に入会候補者に青年会議所運動を理解してもらうことと、入会した会員のフォローをし、辞めさせない活動も同時におこなえるよう進めていきます。
 「組織は人である」この言葉のとおり、組織を存続させるのは人です。青年会議所運動の理解者が増えることで、地域に貢献できる人材を一人でも多く育成することが、真の青年会議所運動であると考えます。2020年に向けて会員数を100名でスタートできるよう、組織を上げて会員拡大に取り組んでまいります。

次代を担う自立した青少年の育成

 現代社会において私たちを取り巻く環境は、ここ10年を見ても顕著に変わってきています。様々な技術は著しく進化を遂げ、世のなかを便利に快適に過ごせる道具が多く普及し有効な情報が短時間に得られ、発信できるようになりました。携帯電話の所有率は小学生でも6割を超え、インターネットでの情報収集や連絡手段はメールやSNSといった情報メディアによるものに代わり、直接やり取りをせずとも相手との連絡ができるようになりました。現代の青少年も同様に、情報が容易に得られることで、社会の構造の複雑さを知り、将来に対して精神的、行動的に不安定に陥りやすく、その結果、自身の将来に向けて学習や努力することに意欲を持てず、希望や価値を見出せずに、現状のままで良いという傾向が強くなり、将来に希望を抱くことができる、自立する力が乏しくなっています。
 自立する力を養うためには、我々大人や地域社会との接触を持たせることで主体性や社会性を学ばせ、実体験を通じて仲間とのコミュニケーション体験や集団行動で、人とひととのつながりの大事さを知り、将来に対しての意欲低下を防ぐことが必要不可欠です。将来の明るい豊かな社会を築くためには、次代を担う自立する力をもった大人へと成長を促すことが、青少年に対して必要であると考え、行政・他団体との連携を図り運動を展開します。

地域活性化を国際化の視点から

 日本は規制緩和により自由競争が推進されたことや、情報革命によって国際化が加速度的に進んでいます。また、今後の成長戦略の柱として、地方創生の切り札に観光立国が推進されています。
 私たちの住み暮らす前橋市も同様、外国人研修者や観光客の増加により他国を受け入れられる社会へと変化を遂げています。前橋に居住する外国人は2013年以降、増加傾向にあり、合計人口における割合も増加しています。そう遠くない未来、超高齢化社会という未だ経験したことのない社会となり、労働人口の減少、医療費や年金問題と将来に対して様々な不安を抱えています。その解決策の一つとして国際化は必要とされており、国際化が進むことで労働人口の確保や、異文化の交流によって多様化する文化を取り入れ、新しいものが生まれ、人々の暮らしはさらに豊かになるでしょう。
 しかし、国際化のデメリットも当然考えなければいけません。日本企業の海外進出で産業の空洞化が起き、国内のお金は海外に流出し、雇用は喪失することが懸念されます。また、流入してきた他国の文化と自国の文化が衝突することにより、浸食されてしまうことも考えられます。
 私たちの地域が、国際化の恩恵を受けながら障害を乗り越え、多様化する社会で共存共栄できる地域を創造するには、まずは私たち自身が日本を知ることが必要です。そして他国の文化や考え方の違いを知ることで、双方を融合させられ新たな発想や価値観を生み出し、斬新なアイデアで未来を切り拓くことができます。
 広い視野を持ちまちづくりがおこなえる地域活性に向け、地方都市だからこそできる、人とひととのつながりを大切にした国際化を目指し、国際意識の醸成を行います。

未来に向かって恒久的な運動を

 2020年は、前橋青年会議所創立70周年という大切な節目の年を迎えます。私たちは、先輩諸兄が築き上げてきた歴史、紡いできた伝統を継承し、その先の未来へとつなげていかなければいけません。先達に感謝と敬意を表し、現在までの軌跡を振り返り、検証することで時代や価値観の変化を捉え、私たちの役割を改めて認識する必要があります。70周年以降も恒久的な運動を進められるよう準備プロジェクトを立上げ、70周年に発信する事業と、前橋青年会議所の75周年に向けた運動方針を打ち立てます。
 また、65周年の記念事業として始まった「スマイルフェスティバル in 前橋」は前橋青年会議所の存在感を示すことと、地域活性に貢献すべく、開催を行ってきました。多くの方にご協力、ご支援をいただきながら進めてきた、本事業は前橋青年会議所の全てが詰まった看板事業となりつつあります。5年を迎えた本年を集大成とし、より市民に親しまれるよう、前橋花火大会と融合を図り、行政・他団体、地域との連携を強め開催をいたします。

おわりに

 私たちは成功と失敗を繰り返しながら自己研鑚をし、いつの時代も人とひととのつながりを大切に行動してきました。そのつながりがあるからこそ、相手のことを考えられ、人に対して感謝をできるものであります。誰かがやる組織ではなく、誰もが輝ける組織を目指し、地域のために妥協なく青年らしい行動を取り、勇気と情熱、そして自分自身に覚悟を持って、未来を創り上げることをお約束し、理事長所信とさせていただきます。